幕末の英雄、坂本龍馬の名前は今や多くの場所で知られています。
名前とその由来までもその人気と同じくらいに多くの人が知っています。
ですが、実はこの「坂本龍馬」という名前が本当の名前でないという事をご存知でしょうか?
正確には、昔の人には複数の名前があり、その由来に関しても様々な形があったようです。
それでは、坂本龍馬の名前とほかの名前につく由来についてお話していきます。
坂本龍馬という名前の立ち位置と由来
一般的に語られている坂本龍馬の名前についてはその由来までもが多くに知られていると思います。
その「竜馬」の名の由来は、彼の母親である幸が龍馬の生まれる前の日に夢で「龍」が出てきたという事と、龍馬自身の背中に「馬」の鬣のような毛が生えていたというところから来たとされています。
何とも洒落た発想からついた名前だと誰もが思い、そういう不思議な運命の様なものを後に訪れる人生に重ねてしまうのも頷けます。
しかし、この名前は本当の名前ではなく、一般的な通り名である「字(あざな)」であったとされています。
一般的に親が子供につけることが出来るのがこの「字」であったようです。
坂本龍馬の本当の名前
平安時代などで陰陽師などが、はたまた国内外にあるそういった物語でたまに出てくる言葉の中に「真名」というものがあります。
これは漢字のごとく「真の名前」であり本当の名前であるとされ、別名を「諱(いみな)」といい、漢字は「忌み名」とも書かれています。
そもそも「忌み名」というといい気がしないと思われますが、意味は逆で「そう簡単に呼んでいい名前ではない名前」という意味合いが強いとされています。
それこそ「口に出すことそのものが憚れる」とされるほどに。
普段の生活においてこの名前は呼ばれることはなく、呼ぶことが許されるのは龍馬の時代であれば親か君主くらいしかいないとされています。
それ以外の人が呼ぶのは失礼になるそうです。
そして、龍馬の「諱」ですが、「直柔(なおなり)」というそうです。
由来としては、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが坂本家のある時期(6代目)以降に生まれた男子の名前には「通り名」の方と「諱」としても、「直」という文字を付けてきたようです。
そもそも「諱」そのものはその人の人生の幸せを祈りよい音と意味とを持つ漢字を選びつけるものです。
ただし、龍馬は他とは違い「諱」を解明しています。
当初、坂本龍馬の「諱」は「直陰(なおかげ)」だったとされます。
しかし、寺田屋での一件から、「陰」の字もあまり良くないという事と、坂本家初代にあやかっての改名ではないかといわれているようです。
意外と多い、維新志士たちの「諱」改名
さて、坂本龍馬が「諱」を改名しましたが、実は維新志士達で龍馬同様に改名した人は意外と多かったようです。
それこそ通称に至ってはかなりの頻度で改名している人物もいたようです。
誰がどんな名前で、改名しているか否か?
それを考え調べるのも面白いかもしれません。